【共有できる】動作介助量の客観性

治療・訓練

こんにちは。「理学療法ノート-P3」ぴーさんです。

このブログは、理学療法士の私がこれまで経験したことや勉強してきたこと、感じたこと、考えたことなどをまとめていく勉強ノートです。

これから多くのことを経験していく新人理学療法士さんや、それを指導・サポートする理学療法士さんの、仕事や指導に役立でていただけると幸いです。

今回は…

動作介助量の客観性

というタイトルです。

  1. 動作介助量の実際
  2. 客観性と区分け
  3. 介助量の客観性

をこの記事で整理していきたいと思います。では早速スタートです。

動作介助量の実際

理学療法士という仕事をしていると、必ず患者さんなどの動作介助をする場面に遭遇します。また介護士さんや看護師さんなどから、「この方って介助量どれくらいです?」と質問されることが多いと思います。

介助量を伝える際には、介助した人の主観で伝えることが多く人それぞれ感じ方も違うため、統一しにくい一面があります。

実際に「〇〇さんは軽介助って言っていたが、もっと介助が必要だった」など情報のズレが生じ、それが原因で転倒してしまうなどのリスクにもなります。

これらの問題を改善するためのヒントとして、以下にまとめていきます。

客観性と区分け

先ほども書いたように、介助の量を主観的に伝えるのでは人それぞれ感じ方が違い、統一しにくさ・共有しにくさが生まれます。ですので介助の量は可能な限り客観的に伝えましょう。

「客観」とは、デジタル大辞泉によると、

1.観察・認識などの精神活動の対象となるもの。

2.主観から独立して存在する外界の事物。

3.当事者ではなく、第三者の立場から観察し、考えること。

デジタル大辞泉 小学館

となっています。ここでの「客観」とは、2.や3.の文面が適切なようです。

第三者から聞いてもわかるように客観的に介助量を伝えるには、介助の量を区分けして、その区分けした理由を明確にする必要があります。

介助量の区分けはよく言う

  • 全介助
  • 重度介助
  • 中等度介助
  • 軽介助
  • 見守り

これです。しかし大事なのはこれら介助量の区分けをした理由づけです。理由が主観だったり「なんとなく…」では意味がないので、客観的な理由で区分けしましょう。

介助量の客観性

上記の介助量の区分けの理由づけを客観的なものにするためには、介助を要する患者さんがどの程度自分でできるかを把握しながら介助する必要があり、その程度を「協力の有無」「垂直方向に動けるか」「水平方向に動けるか」「動く方向や量は適切か」「手順は正しいか」の5つの項目の〇✕で区分けすると客観性が増します。

上記のことを踏まえて客観的に区分けすると

  • 全介助:協力✕ + 垂直方向✕ =引き上げる垂直方向の介助
  • 重度介助:協力〇 + 垂直方向✕ =引き上げる垂直方向の介助
  • 中等度介助:垂直方向〇 + 水平方向✕ =前後左右への水平方向の介助
  • 軽介助:垂直方向〇 + 水平方向〇 + 動く方向や量✕ =動きを止めるor足す介助
  • 見守り:垂直方向〇 + 水平方向〇 + 動く方向や量〇 + 手順✕ =声かけ介助

このように区分けしていくと、第三者から見ても共有でき統一できる指標になると思います。

まとめ

今回は動作介助量の客観性というタイトルでまとめてみました。

介助量をより客観的に伝えるには、「自分が介助した量」に目を向けるのではなく、「患者さんがどの程度自分でできるのか」に目を向けて介助することが大切です。

ぜひ患者さんの介助量を伝える際には「移乗動作の介助量は、協力動作があり、垂直方向へも動けるのですが、横方向へ動けないため、方向転換の介助をする中等度介助を要します。」と伝えて、区分けの理由を明確にして共有しましょう。

スタッフ内で区分け理由を共有できれば、「この方の移乗動作は中等度介助です」の一言だけでも、どのような介助が必要かがわかりやすくなると思います。

最後まで見ていただきありがとうございました。

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