こんにちは。「理学療法ノート‐P3」ぴーさんです。
このブログは
理学療法士の私が、これまで経験したことや勉強してきたこと、感じたこと、考えたことなどをまとめていく勉強ノートです。
これから多くのことを経験していく新人理学療法士さんや、それを指導・サポートする理学療法士さんの、仕事や指導に役立でていただけると幸いです。
今回は…
基本的動作能力とADLの関係性
というタイトルです。
今回の記事で、
- 基本的動作能力とは
- ADLとは
- 相互の関係性
上記のことを整理しましょう。
前回の記事で整理したように、理学療法の目的は”基本的動作能力の回復”ですが、「基本的動作能力って何だったか…?」「ADLは理学療法と関係あるのか…?」などと思った方々は、ぜひ今回のノートで整理して、作業療法士さんや言語聴覚士さん、看護師さん、介護士さん等とのコミュニケーションを円滑に進めてください。
ちなみに前回の記事では「理学療法の基本中の基本」と題して、理学療法の対象・目的・手段を整理していますので、気になる方はこちらをご覧ください。
1.基本的動作能力とは
まずはじめに基本的動作能力には、どのような動作があるかというと、
- 寝返り
- 起き上がり
- 座位
- 立ち上がり
- 立位
- 歩行
上記の6項目となります。
この基本的動作は、毎日繰り返される身辺動作であり、目的動作を遂行するための手段として最も基本となる動作群であります。
つまり基本的動作そのものに目的はないけれど、社会生活上の目的を果たすための手段となる基本的な動作であります。例えば「歯を磨く」という目的を果たすために、ベッドから起き上がって座り、そこから立ち上がって歩いて洗面所まで行き、立ったまま歯を磨く、という一連の動作群であり、歯を磨くための手段となります。
2.ADLとは
続いてADLについてです。ADLとは「日常生活活動:Activities of Daily Living」の略語です。
ADLにはどのような動作があるかというと、
- 食事
- 整容
- 更衣
- 排泄
- 入浴
上記の5項目となります。
このADLは、ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な、しかも各人ともに共通に毎日繰り返される一連の身体的動作群であり、その範囲は家庭における身のまわり動作を意味しています。
つまりADLとは、生活してくために誰もが必要な身のまわり動作です。
3.相互の関係性
ここまで、基本的動作能力とADLについて触れてきましたが、理学療法士として考えていくべきことは、基本的動作能力とADLの関係性つまり繋がりです。
実際に臨床現場で仕事をしていると、「トイレ動作の介助量減らしたいね」や「更衣のFIMの点数を上げたいね」などという言葉をたびたび耳にします。
トイレ動作や更衣はADLの項目ですが、まず大切なことは「トイレ動作」や「更衣」という身のまわり動作の中には、必ず手段となる基本的動作が含まれていることに気が付くことです。
例えば「トイレ動作」であれば、ズボンを下すために立位姿勢を保つ・便座に座る・終わったら立ち上がる・ズボンを上げるために立位姿勢を保つなどの基本動作が含まれます。
次に大切なことは、各ADL(身のまわり動作)の中に必要とされる基本的動作を知り、列挙できるようになることです。
最後に大切なことは、各ADL(身のまわり動作)がどのような環境下で行われるか、どのような方法で動作を行うか把握することです。
先ほどの「トイレ動作」であれば、「椅子ではなく便座という特殊な環境での座位保持」「手すりの向きや位置」などという環境の把握、そして「ズボンを上げ下げするために必要な立位保持姿勢」「ズボンの上げ下げに要す時間」などという動作の把握が必要です。
4.まとめ
今回の記事では、基本的動作能力とADLの関係性というタイトルで、
- 基本的動作能力:寝返り・起き上がり・座位・立ち上がり・立位・歩行
- ADL:食事・整容・更衣・排泄・入浴
- 相互の関係性:ADLの中には手段となる基本的動作が必ず含まれる
について書きました。
基本的動作能力は「目的を遂行するための手段となる基本の動作群」であり、ADLは「生活してくために誰もが必要な身のまわり動作」のことです。
ADLの各項目の中には基本的動作が必ず含まれており、それぞれのADLの中で必要な基本的動作の方法やADLを行う環境が異なるため、必要な動作方法と実施環境の把握が必要となります。
皆さんも、今回の記事を読んで問題点の整理、すべきことの明確化、解決への手がかりとしてください。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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