おはようございます。「理学療法ノート-P3」ぴーさんです。
このブログは、理学療法士の私がこれまで経験したことや勉強してきたこと、感じたこと、考えたことなどをまとめていく勉強ノートです。
これから多くのことを経験していく新人理学療法士さんや、それを指導・サポートする理学療法士さんの、仕事や指導に役立でていただけると幸いです。
今回は…
物的介助の落とし穴…その1
というタイトルです。
- 物的介助とは
- 物的介助のメリット
- 物的介助のデメリット
上記の内容をまとめました。早速スタートです。
物的介助とは
理学療法士が運動療法や動作介助を実施していくにあたり、よく使用する「手すり」「平行棒」「歩行車」「杖」等など。これらは、起立や立位、歩行などの動作を補うための物品です。その物品を使用した介助のことを物的介助といいます。
ちなみに理学療法士が患者さんの腋窩や腰、四肢などを手で直接介助することを徒手的介助といいます。
物的介助のメリット
続いては物的介助のメリットについて挙げていきましょう。ここでは私個人の考えとして記載していますので、その他にもメリットがあるかと思います。
- 理学療法士が手を使えるため、転倒しそうな際に支えることができ、訓練の安全性が向上
- 理学療法士が手を使えるため、徒手的介助を併用でき、訓練の幅が広がる
- 物的介助により支持基底面が広がるため、動作の安全性が向上
- 動作の安全性向上により、動作速度の向上と動作遂行時間や距離の延長が可能
- 手で持つ物があることにより、患者さんの安心感が高まる
これらのことが物的介助のメリット挙げられ、動作自立のための5項目のうち「安全性」「耐久性」「速度」の3項目を補うことができます。動作手段が決定したら、反復して動作を行うことで動作が定着しやすい傾向にあります。
ちなみに動作自立のための5項目を詳しく知りたい方はこちらの過去の記事をご覧ください。
物的介助のデメリット
続いては物的介助のデメリットです。こちらも私個人の考えを記載していますので、その他にもデメリットがあるかと思います。
- 手を使用して重心位置を操作しやすいため、動作自体の詳細な問題点を把握しにくい
- 手で支持するため、正常な動作と身体の使い方が異なり、徒手的介助や物的介助を外せなくなる
- 物的介助を使用できる場所が限定されるため、環境の変化に対応しにくくなる
- 手で持つことの安心感から、患者さんの物的介助に対する依存心が高まる
これらのことが物的介助のデメリットとして挙げられ、傾向として「物的介助が無ければできない」という状態を引き起こしてしまうリスクがあります。
まとめ
今回は物的介助の落とし穴…その1というタイトルで、物的介助のメリット・デメリットをまとめました。
私個人としては治療・訓練を行う上では、メリットよりも上記のデメリットが強すぎると感じているため、物的介助を極力使用せずに、動作手段が最終決定した後に必要な物的介助を導入するようにしています。
また基本的動作能力の改善のためにも「どうしたら物的介助や徒手的介助を外せるか」を常に考えながら治療・訓練を行うことが大切と思います。
次の記事では、物的介助の落とし穴…その2というタイトルで、実例を通して物的介助の使い方をまとめます。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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