おはようございます。「理学療法ノート‐P3」ぴーさんです。
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今回は、前回の続編で…
動作自立の必要要素…その2
というタイトルです。
前回の記事では、
- 動作の自立とは
- 自立の要素 5項目
上記のことを整理しましたが、その2では、
- 例をもとにイメージ
- 各項目の意味の確認
となっています。前回の記事を見た後に今回の記事を見ると、より考えが整理しやすいと思いますので、まずはそちらをご覧ください。
1.例をもとにイメージ
前回記事で整理した動作自立の要素を「歩いてトイレへ行く」ことを例に、具体的にイメージしていきましょう。
歩いてトイレに行く場合、転倒せずに安全にトイレまで行けることが大前提であり、それはたとえリハビリ室で安全に歩けてもトイレまで自立とは言えず、部屋からトイレまでの環境下でどこでも安定して安全に歩くことができないと自立とは言えません。また部屋からトイレまでの導線の途中で何度も休憩が必要な耐久性の低さでは自立にはできず、一連の動作を休まず遂行する耐久性が必要です。そして、「トイレに行きたい」と思ってから排泄に間に合う程度の動作速度で歩いていく必要があります。最後に、歩いていくために使用する物品などが容認できるような方法である必要があります。
これら5項目のすべてを満たすことで初めて自立したことになり、動作が実用性をもって遂行できる裏づけになります。
逆に自立にできるかどうか悩んでいる基本動作がある場合には、5項目のうちどれが足りないのかを考えることで、自立に向けて必要な治療や訓練のプログラムを立案しやすくなります。
2.各項目の意味の確認
ここでは、動作自立に必要な要素の5項目をそれぞれ意味を確認して整理していきます。
●安全性:ケガなどを負う危険性がなく動作が遂行できること。
今後も安全に動作が遂行できるかどうかは、1度の確認では安全とは言えないため、動作を20回は確認して1度もケガを負う危険性がなければ、95%以上は安全に動作遂行可能と考えてよいと思います。
●安定性:どこでもいつでも同じように動作が遂行できること。
リハビリ室内だけの動作確認では実際に動作を行う環境とは異なるため、普段動作を行う環境で必ず確認しましょう。
●耐久性:動作途中で休むことなく連続して遂行し続けることができること。
動作中に休むことなく連続して動作遂行し続けることも必要ですが、動作終了後に疲労で動けなくなるようでは、日常生活に支障をきたします。動作遂行後も余力が残る耐久性が必要です。
●速度:動作が実際の場面で有用な時間内に遂行できること。
安全に動作を遂行するあまり、通常の2倍以上の時間を要すのでは実用的な動作とは言えません。
●社会的容認:動作の方法が受け入れられ、実現可能であること。
病院内という環境下ではU字型歩行車は実現可能ですが、自宅内という環境では廊下幅や段差などの観点から現実的ではない場合もあります。動作する環境を考慮した方法の選択が重要となります。
3.まとめ
今回の記事では、動作自立に必要な要素…その2というタイトルで、
- 例をもとにイメージ
- 各項目の意味の確認
について書きました。
基本動作が自立といえるための必要要素5項目について、「歩いてトイレに行く」ことを例に整理しました。
そして各要素について、項目ごとに意味の確認をして「安全」「安定」「耐久性」「速度」「社会的容認」の5項目それぞれでチェックポイントを記載しました。
皆さんも、今回の記事を読んで動作自立のための問題点の整理と解決への手がかりに活かしてみてください。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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