【できることを知る】治療の手段!運動療法について

治療・訓練

おはようございます。「理学療法ノート‐P3」ぴーさんです。

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これから多くのことを経験していく新人理学療法士さんや、それを指導・サポートする理学療法士さんの、仕事や指導に役立でていただけると幸いです。

今回は…

治療の手段!運動療法について

というタイトルです。

この記事では、

  1. 理学療法の手段をおさらい
  2. 運動療法 6項目
  3. 運動療法の選択方法

上記のことを整理します。

ちなみに以前の記事で「理学療法の基本中の基本」と題して、理学療法の対象・目的・手段を整理していますので、気になる方はこちらをご覧ください。

理学療法の手段をおさらい

まずは理学療法の手段をおさらいしましょう。

「理学療法士及び作業療法士法」では、物理的手段を加えることと記載されていますが、理学療法でいう物理的手段とは、大きく分けて運動療法と物理療法の2つに分けられます。

ちなみに「物理的」とは、デジタル大辞泉によると、

1.物理学にかかわるさま。物理学の法則にかなっているさま。物理学的。

2.一般に、空間・時間・重量などの、数量に置き換えられる条件に関連するさま。「素手で持ち上げるのは物理的に不可能だ」「事後とが多すぎるという物理的な問題」

デジタル大辞泉 小学館

このように説明されています。

運動療法は、身体やその一部が時間的・空間的に移動することで、そこにかかる重量などが変化し、その変化に対応する反応を引き出したり、空間的移動の幅を広げたりしていく治療手段となります。

物理療法は、温熱や電気刺激・超音波などの物理的刺激を加える治療手段となります。

運動療法 6項目

理学療法の手段をおさらいしたところで、次は運動療法について具体的にみていきましょう。

理学療法士が行う運動療法は多くの手技が存在していますが、必ず以下の6項目に分類することができます。このことを知っているだけでも勉強会で学んだ知識や技術を臨床場面へと応用しやすくなり、自分の頭の中を整理しやすくなりますので、忘れずに覚えておきましょう。

運動療法は…

  1. 関節可動域運動
  2. 筋力増強運動
  3. 筋持久力増強運動
  4. 協調性訓練
  5. 全身調整運動
  6. 基本動作訓練

これらの6項目に分けることができ、これらの手段を組み合わせて使うことで疾患によって生じた障害に対して治療・訓練アプローチをしていきます。

「脳梗塞」を例にすると、疾患から生じる運動麻痺という症状によって「片方の手足が動かせない」という障害が出現します。その障害に対して「筋力増強運動」を用いて手足の出力をUPさせたり、「協調性訓練」を用いて手足の動きの円滑さをUPさせるといった具合です。

もう少し詳しく分類すると、1.から5.までの運動療法は機能障害に対しての治療アプローチとなり、6.は動作の障害に対しての訓練アプローチとなります。ここは次の項目で詳しく整理しましょう。

「運動療法って言われても何をどうしたらよいかわからない…」と悩んだらあまり難しく考えずに、理学療法士の運動療法は上記の6つの手段しかないということなので、この6項目を思い出して1つずつ整理すると問題点が見つかると思います。

運動療法の選択方法

先ほどの運動療法6項目を、実際の臨床現場で応用していくための整理方法を紹介していきます。

絶対にやってはダメなのは「歩けないから歩行訓練をする」「立ち上がれないから起立訓練をする」という考えのない治療や訓練です。

理学療法の目的は「基本的動作能力の改善」ですので、まずはどの基本動作を改善したいのか絞りましょう。ここでは「立ち上がり」を例に考えていきます。

次に自分自身の立ち上がり動作と患者さんの立ち上がり動作を比較して違う点を探します。例えば「体幹が前傾していない」とか「臀部が上がらない」などです。

最後に比較して違う点から、機能的な不足部分を見つけ考察します。例えば「体幹が前傾しないのは、股関節屈曲角度が足りないのでは?前傾した時に支える筋力が足りないのでは?」や「臀部が上がらないのは、殿筋の筋力が足りないのでは?持続的に出力するための筋持久力が足りないのでは?股関節伸展筋と足関節底屈筋の調和(協調)がとれていないのでは?」などです。大切なことは、動作から機能を考察していくことです。

まとめ

ここまでくれば、あとは考察した機能的な不足に対して治療・訓練アプローチしていくだけです。機能的な不足が「障害」というわけです。機能を考察しやすくするためには「運動療法の6項目」のうちの1.~5.を常に頭に入れておく必要があります。関節可動域運動・筋力増強運動・筋持久力増強運動・協調性訓練・全身調整運動を行なって機能UPを図りながら、基本動作訓練で実際の動作を改善できるように、考察を続けましょう。

最後まで見ていただきありがとうございました。

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